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開店休業状態の3学期

【公教育を問う】第1部 私立人気の影で(1)開店休業状態の3学期
 ブランドショップやヘアサロンが並ぶ東京・南青山の港区立青南小学校の校門前では時折、渋滞が起きる。学校行事などで下校時間が遅くなった日、子供を進学塾へ送る母親らの車の列だ。ベンツなど高級外車も少なくない。
 「今年も、都内私立中受験解禁日の2月1、2日は7~8割が欠席するでしょう」と同小の輿水かおり校長は話す。
 東京、神奈川など首都圏で5、6人に1人が受験するという私立熱はおさまらない。同小のようにほとんど受験組の学校もある。
 「あと1人休めば学級閉鎖…」。3学期が始まると、首都圏だけでなく近畿の公立小の職員室でも教師のこんなため息が目立つようになった。
 理由はインフルエンザではない。すでにスタートしている私立中受験日のほか、準備で学校を休ませ自宅学習や塾通いさせる保護者もいる。
 周辺に公務員住宅や都市銀行社宅が並ぶ都内の別の区立小学校もクラス約30人の7割近くが受験組だ。風邪なら2割程度で学級閉鎖だが、3学期はじめのこの日は半数近くが欠席だった。
 今年は予想以上に欠席が早く、人数も多いという。
 欠席が多い児童には受験させない中学もあるが、この小学校では学校が用意した申請書に受験校と受験日を書けば欠席扱いにならないなど、受験組への配慮・優遇策があるという。
保護者らは表面上は学校優先を装う。が、教室では最近、子供たちは平気で受験校を話すようになった。有名中学の名前が、親や子のプライドにもみえる。担任も、早くも合格発表がでた児童に「受かった?」などと塾講師のように平気で尋ねるようになった。
 進学塾に通うのは小学4年からが一般的だったが、1年入学直前まで低年齢化している。
 「月曜病」という言葉もある。日曜に家庭教師など自宅学習で疲れ、休む子供が目立つのだという。
 高学年では学校生活の思い出となるはずの移動教室を欠席して塾通いする子供もいる。教師らの集まりでは、塾通いのストレスをはらすように受験しない同級生をばかにしたり、いじめるケースも報告されている。
 「この問題なら1つ8秒、20題で160秒」
 午後5時過ぎ、大手進学塾「早稲田アカデミー」系列の「エクシブ渋谷校」。5年生の国語の授業は漢字テストで始まった。
 正解プリントを見ながら答え合わせを終えると俳句の解釈。さらに自分たちで俳句を作って100分…授業が続いた。
 20分の休み時間。持参の弁当が夕食だ。中にはコンビニのおにぎりとペットボトルのお茶で済ます子も。
 100分の算数を行い、子供たちが塾を出たのは午後9時。お台場(港区)などに1時間近くかけて帰る子もいる。
進学塾は2月が新年度の始まり。保護者への説明会では、慎重に言葉を選びながら、私立中受験を考える保護者の背中を押していく。
 「公立育ちのご両親には、今の公立中の実態は分からないかもしれません」「公立中では勉強の進度が遅い。私立の中高一貫校なら6年間で大学受験対策もできます」「私立でもいじめはあります。でも、公立よりは少ないし、対応もきちんとしています」
 例えば中学受験最大手「日能研」の場合、3年生から教室が用意されている。
 4年生の場合、入学金が約2万円、授業料やテスト代が月約2万円。別に必修の夏期講習などを合わせると年30万円近い。6年生になると授業時間も増え、年90万円以上にもなる。
 大手進学塾の教室が主要駅前に増え、ニーズを広げている。なぜ私立中受験なのか。「森上教育研究所」の森上展安所長は、大学への進学実績や宗教教育など私学の特色ある指導といった“伝統的”理由以外に、バブル期以降増えたのが、「ブランドとしての私立中」があるという。
 「子供の学校を聞かれたとき、有名校の名前を挙げる快感が母親にある」と森上所長は話す。
 小学生から受験が当たり前のようになった教室。どこかおかしくないか。学力や生徒指導…、再生への願いにもかかわらず信頼が得られない公教育をどう立て直していくか、考えていきたい。
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  子供の学校を聞かれたとき、有名校の名前を挙げる快感が母親にある、これには驚きです。母親の快感のために私立を受験するのですか。大学への進学実績も理由だそうですが、以前から続くこのパターン、実はもう破綻しているのではないですか。大学を卒業しても就職できない、また大学院に行っても就職できない、その会社は終身雇用ではない、ノルマと成果主義の元で働く、年金の不安もある、だのにいい大学のため私立中へ競争して受験ですか。その内実がブランドと快感というのは、情けないと思います。犠牲者は子ども達。止まらない流れにみんな流されている感じもしますが、じゃあどうすればいいのでしょう、この先のこの答がみんな見つからないのではないでしょうか。

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