高校入試 問題生徒をどう受け入れる
高校入試 問題生徒をどう受け入れる(12月8日付・読売社説)
公立高校で不適切な入試が相次いで明るみに出た。背景に、生徒指導に苦慮する学校現場の姿が見えてくる。
神奈川県立神田高が2005、06、08年度の入試で、服装や態度の乱れを理由に、合格圏内だった22人を不合格にした。
問題は、服装や態度という要素が選考基準になかったことだ。
県教委は、「選考基準にこの点を明示しておくべきだった」として、校長を更迭した。
この“処分”に対し、県教委には約1400件、読売新聞にも約300件の反響が寄せられたが、9割が前校長を支持している。「入試にきちんとした格好で行くのは常識だ」という意見も多い。
人生の選択の場にふさわしい服装や態度で臨むのは、確かに常識だろう。常識を選考基準として明示するのかという疑問は、もっともである。
高校は義務教育ではなく、各校独自の基準があってよい。
ただ、神田高の入試でも、内申書と面接だけで選ぶ試験で、面接態度が最低評価なら順位を下げることを選考基準に明記した際には、問題は生じなかった。
他校との統合を控え、神田高は07年度にこの方式をいったんやめたが、09年度入試では復活させる。やはり明示するのが適切ということだろう。
一方、東京都立日本橋高は、05年末に自主退学した2人が06年度入試を再受験した際、点数を改竄(かいざん)し、受験生62人中この2人だけを落とした。
都教委は、改竄が虚偽の公文書を作成した犯罪にあたる可能性もあるとして、当時の校長らの処分と刑事告発を検討している。
日本橋高の場合は弁解の余地がない。ただ、不合格の2人は、校内での暴力行為などを問われた事実上の退学処分だった。
現在の都立高入試では、退学処分でも同じ高校の受験が認められている。暴力行為を犯した本人がすぐに再入学してくれば、被害者の生徒はたまらないだろう。
校長の判断で、退学処分にした生徒は少なくとも一定期間受け入れを拒めるなど、応募資格の変更を検討すべきではないか。
生徒指導の困難な学校には、教員を手厚く配置するなど教委による支援体制充実が欠かせない。
親や小中学校教員の責任も重い。文部科学省の07年度調査では、児童生徒による暴力行為の件数は、小中高ともに過去最高だった。家庭でのしつけや道徳教育が、極めて大切だ。 (2008年12月8日01時41分 読売新聞)
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この社説は今の学校の有り様について問題提起しているとも見ることができます。受験体制ですから成績がよければどこの学校にでも入れる、しかし生活態度や規律を守れない場合は入れないという現実、点数のよい子はよくない子を見下している現実、そして学校はやたら管理が厳しくて規律で縛る傾向がつよいという状況をどう考えるかということでもあるとおもうのです。もっと学校がオープンでフランクで権威的ではなかったら問題生徒と言われる子もそんなに、かたくなになることもないのではないか、とも思うのですが、甘いでしょうか。制服とスカートも膝上何センチと細かい規定のある校則、そうした息苦しさを感じる学校、それはそうした細かい規定を作らないと乱れていくということなのでしょうが、そこには子ども信頼のファクターはありません。オープンで子どもに依拠する学校づくり、そのことが求められているとこの社説から思いました。
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