子どもと教育 政治をただし希望ともす年に
主張 子どもと教育 政治をただし希望ともす年に
今年は総選挙がある年です。教育の面からみても、自民党政治の根本からの転換が、いまほど切実に求められる時はありません。
国民生活を危機に陥れている「ルールなき資本主義」は、教育の土台をも壊しています。昨年末解雇された父親は「娘の学費が払えない。このままでは高校退学になる」と声をつまらせました。
深刻な子どもの貧困
日本の子どもの貧困率は14%、ヨーロッパ諸国の二倍、三倍です。貧困は子育て環境を悪化させる大きな要因です。ところが日本の家族向けの予算は極端に少なく、しかも奨学金の取り立ての強化、母子家庭支援の後退など「弱きをくじく」方向です。このままでは、日本の教育の底が抜けることになりかねません。
教育政策に目を転じれば、自公政権は教育基本法を改悪し、教育への競争原理の導入や国家統制をつよめてきました。しかし、それらは今、深刻な矛盾に直面しています。
全国いっせい学力テストは順位だけに関心を集める雰囲気を浸透させ、学力形成に「百害あって一利なし」でした。文部科学省は「学校ごとの結果公表禁止」を建前としたものの、公表する自治体がうまれています。建前からみても、中止しかありません。
学校間の競争を組織する学校選択制は、地域で子どもを育てるという公立学校の良さを壊すなど弊害があらわになり、昨年ついに東京・江東区、群馬・前橋市で見直し、中止となりました。
国家統制の矛先は何より教職員にむかいました。
教員は職員会議の形がい化で、子どものことを真剣に話し合って教育を進めることが禁じられたり、管理職の言いなりになるような教員評価にさらされたりしています。
専門職として尊重されるべき教員が、その誇りを奪われ、心身をすりへらされる。こんなことで教育がよくなるはずがありません。昨年秋、国際機関は日本の教員評価にたいして異例の是正勧告をするに至っています。
日本の教育予算は先進国を中心にしたOECD(経済協力開発機構)諸国で最低です。あまりの少なさに文科省すら予算増を求めましたが、予算編成の過程で完全に黙殺されました。
その結果、文科省が必要だとした施策すら手当てできないありさまです。たとえば学習指導要領の改定は授業時数を三十年ぶりに増やし、教員増は必須でした。ところが増員はほとんどなく、今後の混乱は目に見えています。
日本国憲法に沿う教育を
日本の教育を立て直すには政治を変えることがどうしても必要です。その中身は、▽子どもの貧困の解決、経済的理由で進学をあきらめる若者をなくす▽過度な競争をやめ、人間的成長を教育の中心にすえる▽教育の自主性を保障し、学校の自主的運営を保障する▽教育予算の引き上げ、三十人学級の条件整備―などです。
これらは、日本国憲法の原則、子どもの権利条約など国際的ルールに沿った教育の実現です。日々の教育の営みに力を注ぐとともに、政治の転換によって日本の教育に希望をともす年にしようではありませんか。 13日 赤旗
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学校教育にかかわることが上の記事では羅列的に書かれていますが、問題点だけでもこんなに多くあります。子どもにとってとりわけ深刻なのは貧困の問題です。派遣村が今、怒りのニュースになっていますが、子供を持つ親がこうした立場に転落する心配は多くの人にあります。そして深刻なのが教師の労働環境です。長時間勤務なのに子どものことを話し合う時間が持てず、一人で悩んで孤立している現実です。以下はそれに関係した資料です。
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新採教員の思い 人間的な関わりを大切にした学校と職員室をつくりたい
4月に教員になり、毎日子どもたちと一緒に勉強をしています。僕に真っ直ぐに向き合ってくれる子どもたちから、元気と勇気をもらいながら学校生活を送っています。
ただ、教育委員会の研修と校内での研修がたくさんあり、毎日毎日そのレポートを書くため、なかなか教材研究ができないことが悩みのIつです。
そして何より一番つらいのは、今年1年間は「条件付採用」であるということです。僕たちは心の底で、「いつ首を切られるかわからない」という思いを抱えながら、学校で生活しています。
本来教職員は、みな同じ立場で、目の前の子どもに一緒に責任を負っているはずです。しかし僕たち初任者は、自分が本当に考えていることや、「こうしたほうがいいのにな」と感じていることを、先輩の先生や管理職の先生に話すことが難しくなっています。僕たちはなかなか教育活動の主人公になれず、それが結果として教育の質の低下にもつながっているのではないかと感じています。
また、初任者を中心とした、若い世代の長時間労働の実態も深刻です。
同じ初任の仲間の中には、男女問わず学校に泊まっている人もいます。
また、「~をするのは若い人の仕事」と先輩の先生に言われて、時間外の労働を半ば強制的に強いられている人もいます。このような学校では、教員同士でお互いに感じていることや悩みを、年配の先生も含めて率直に出し合う雰囲気がないそうです。
そのようなしわ寄せが、立場の弱い初任者や若手の教員にきています。
このような矛盾は、「期限付任用」の人たちにも強く表れています。I年間しかいられない職場で、自分の本当の思いを出すことはとても困難です。僕の友だちで「期限付任用」になった人は、「自分かきつく指導されていることが、私のことを思って言ってくれているのか、それとも期限付だからなのかわからない」と悩んでいました。毎年多くの「期限付」をとり、不安定雇用に身を置か
せ、本来感じる必要のない悩みを多くの若者に感じさせるのではなく、正規の教職員をきちんと採用することが、何よりも大切ではないかと感じます。
そして、教職員同士が自分の思っていることや悩みを率直に出し合い、子どもに対する思いや教育に対する思いを交流する中で、教育はよりよいものになっていくと感じています。
今こそ、お互いの人間的な関わりを大切にした、「人間らしい」学校と職員室をつくっていくことが求められていると感じています。(だにがわ・さとる) クレスコ2008.11号
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学校に泊まるなんてなんという現実でしょうか。方向は見えています。職場で子どものことを話し合う時間と仲間、これは同僚性です。そして組合などの若手教師の学習会で悩みを出すこと、そうした会を組織することです。組合、しっかりして。
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