担当者らの思惑も絡む中、全国学力テスト21日実施へ 産経
文部科学省の全国学力テストが21日、小中学校計約3万2300校で行われ、小学6年と中学3年の計約230万人が参加する。今回はこれまで全国の自治体で唯一不参加だった愛知県犬山市も参加に転じ、平成19年度の再開以来、初めて全公立校がそろう。一方、過去2回の成績低迷を糧とし、さまざまな対策を取ってきた自治体のトップや担当者にとっては、まさに真価を問われる場となり、さまざまな思惑を抱える中で、児童・生徒が答案に臨む。
参加賛成派と反対派の対立が続いた末に、3回目で初参加となる犬山市。18年12月、参加推進派の田中志典市長が初当選後、全員不参加でスクラムを組んでいた教育委員を入れ替えるなどして態勢を整え、今年3月に教育委員会臨時会で参加が議決された。
瀬見井久教育長ら反対派は「過度の競争を招く」と難色を示し続けたが、保護者からは「ある程度の競争は必要」との声が多く、市長の方針を援護射撃。小中学校PTA連合会幹部は「理想論だけでは高校、大学受験はできない」と語る。
「序列化や数字の一人歩きは避けたい。今後にいかに生かしていけるかが大事で、あくまで犬山流で参加するつもり」と市教委幹部。同市では、約4カ月後に公表予定の結果を待たずに、複写した答案を教員が独自で採点し、早急に結果を集計する方針で、「参加するからには」という積極姿勢をみせている。
一方、19年度が小中学校ともに45位、20年度が小学校41位、中学校45位と低迷した大阪府にとっては、「日本一の教育」を掲げる橋下徹知事が正念場を迎える。橋下知事は、昨年2月の就任後、市町村別成績の部分開示など学力テストをめぐっても物議を醸してきただけに、成績向上が見られなければ求心力低下にもつながりかねない。
府教委では昨年来、次々と対策を講じてきた。授業改善のため指導主事が現場の教員を直接指導したほか、放課後学習の定着のため府内の小中学校で無料学習を開始。教育委員には、百マス計算など反復学習の「陰山メソッド」を確立した陰山英男・立命館小副校長らを迎えた。
府は20年度のテスト後、教育力向上に向けた緊急対策を打ち立て、小中学校約50校を重点校として陰山氏の反復学習メソッドの活用を徹底。現在では府内約9割の小中学校に広がった。
「短期間に一気に成果が出るとは思わないが、現場が変わってきているのは間違いない。『確実に上がります』とは言えないが、教育委員を任命しありとあらゆることをやった上での結果なので、悪ければ僕の責任だと思う」。橋下知事は15日の定例記者会見で覚悟をのぞかせた。府教委の角野茂樹・小中学校課長は「全国との比較で成果が見られることを期待しているが、何よりも課題が改善されているかを見極めたい」と話す。
2年連続で中学校がワースト2位に甘んじた高知県も昨秋以降、全中学校を対象に数学で単元ごとに習熟度をチェックするテストを繰り返し実施。高知市内を中心に、補講体制も確立してきた。単元ごとのテストは4月から、小学4~6年にも広げた。
20年度が小学校の38位に対し、中学校は16位だった島根県は「2年越しの取り組み」に飛躍をかける。
同県では、調査結果で家庭学習時間が短かったことを重視し、19年5月からパソコンから学習プリントをダウンロードできるシステムを全小中学校で導入。その結果、18年度に小6で29・6%、中3は36・6%だった「学校の授業以外に1時間以上学習する」の割合が、20年度にはそれぞれ48%、45%にアップした。
県教委義務教育課の佐藤文宣・グループリーダーは「まずは習慣を身につけないとと考え、ほかにもいろいろな手を打ってきた。すぐにはうまくいかないと思うが、それでも成績向上を期待したい」と話す。
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この記事それ自体が学力テストの弊害をはっきりと示しています。点数と順位で一喜一憂する、悪い県ははっぱをかけ何度もプレテストや事前の対策を練る、これらみんな犠牲者は子ども達と教員です。次の主張も併せて見てみましょう
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全国いっせい学力テストが二十一日に実施されます。今年で三度目です。
その日、小学校六年生の児童と中学校三年生の生徒は一日中、算数・数学、国語のテスト漬けです。それだけではありません。朝何時におきているか、食事はとっているか、本はどれくらい読んでいるか。プライバシーにかかわる問題にも答えなければなりません。
なぜ全国学力テストをおこなうのか。子どもの学力の調査のためという、文科省の説明は完全に破たんしています。担当官自身が「学力の状況の全国的な傾向の把握のためなら、全員対象の調査でなくてもいい」とのべました。
いま同省がしがみついている唯一の「理由」は、「各教育委員会や学校が子どもへの学習指導を具体的に改善するのに役立つ」というものです。
しかし、テストの結果は数カ月先です。「どのようなテストだったか」、忘れたころに返されます。しかもどこでどう間違えたかわかる答案用紙ではなく、「できたかできなかったのかの○×」と全国平均正答率がかかれた個人表です。これで、どんな具体的改善が図れるというのでしょうか。
文科省は「競争を助長しない」といいますが、実際には都道府県の平均点を発表し、「順位をあげろ」という競争のタネをまきました。市町村レベルや学校ごとの結果公表はさせないとしましたが、守られる保証がありません。大阪府や秋田県などで市町村ごとの公表が進み、鳥取県のある市では学校ごとの開示まで決めています。
学校長が教育委員会によびつけられ、点数をみせられ、点数が低いことをなじられる。校長は教師を呼びつけ怒る。子どもたちには「予備テスト」や「事前テスト」などのテストが繰り返しおこなわれる。さらには点数を上げるための不正がひろがり、不正をさす「田植え」や「ドーピング」という“学テ用語”までうまれました。
都道府県・政令指定都市教育委員会の29%が「抽出調査にかえる」などの見直しを表明しています(「朝日」五日付)。国に近い立場の教育委員会として、異例なことです。
私たちが憂えるのは、「学力は点数で測るもの」という短絡した考えがはびこることです。日本教育学会会長などを歴任された大田尭さんは「学力は人間の内面の問題。安易に点数をつけたり、順番をつけるのはおかしい。数量化は参考資料の一つ。学力というのは生存力なのだと、徹底して考えるべきだ」とのべました。
全国いっせい学力テストは、日本の子どもの真の意味での学力と未来を傷つけていることを、私たちは知るべきです。
学校の現場では、教員は授業準備もできない「多忙化」に苦しんでいます。また、学力の底上げや創造的な授業のための少人数学級の実施が切望されています。
国の仕事は、数十億円もかけて望まれない、役に立たない事業をすることではなく、日本の将来をみすえて教育条件を整備することです。全国いっせい学力テストの中止をつよく求めます。 赤旗18日
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これを見るだけであとは述べることはありません。中止しかありません。
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