ほっとする光景
朝の散歩の道すがらのこと。はち切れるような子どもたちの声が飛び交っていた。だれもが動き回り、走り回っていた。休憩時間中の小学校の校庭だった。縄跳びをする女の子のグループが目に入った。二人が縄の両端をもってぐるぐる速く回す。無事に跳び越したらセーフ。失敗した子は繩をまわす側に移る。傍らでかなり太っちょの子が、さびしげにじっと見ているだけだった。仲間はずれてかわいそうと思っていたら、やにわにその子は繩の輪に入った。すれすれだったが跳び越した。体いっぱいに「うれしい」というしぐさを見せた。
その隣で、ゴムボールを投げ合っているグループがあった。その球の1つが女の子の顔を打った。痛そうでいまにも泣き出し。一人の子が水道でハンカチをぬらしてきて、その子に渡した。ほっとする光景だった。
やさしい音色のチャイムが校庭中に響動(とよ)もした。いっせいに子どもたちは教室に向かった。躍動していた校庭は一気にしじまの空間に変わった。シラサギー羽が飛んできて、校庭沿いに流れる川面にゆったりと立った。春間近の明るい校底のひとときであった。 (東京・国立市 竹村完止79歳)
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新聞の投書欄からのコピーです。短い時間の子ども達の様子をよく見ているなあと思います。この投稿の題が、「ほっとする光景」です。子ども達もなかなか捨てたものじゃない、いじめとが今騒がれているけど、ちゃんと自浄能力を持っているじゃないか、そんな子ども達を見ると元気が出る、この人は80歳に近いのですがそんなことを言っているようにも思えます。躍動からしじまの空間、シラサギが川面にゆったりと、春間近の明るい校庭のひととき、と描写もリアルです。学校のそばを通る人がこんなふうに見てくれるといいですね。
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